義弟、伊藤猛さんが亡くなったのは今年の5月だった。75才。私が見舞う間もない急死だった。謙虚で聡明な義弟だった。
昨日、ピアノの上に「対岸」という本が乗っていた。短歌・随筆の同人誌だった。妻がこんな本に興味があるのかと不思議だった。開いて見てわかった。義弟の妻、伊藤美津子さんが妻に送ってきたものだった。
「対岸」を開くと”創刊38周年記念コンクール作品入選発表”とある。俳句の部・最優秀賞1篇「蛍」伊藤美津子とある。15作からの5作を拾う。
昨日、ピアノの上に「対岸」という本が乗っていた。短歌・随筆の同人誌だった。妻がこんな本に興味があるのかと不思議だった。開いて見てわかった。義弟の妻、伊藤美津子さんが妻に送ってきたものだった。
「対岸」を開くと”創刊38周年記念コンクール作品入選発表”とある。俳句の部・最優秀賞1篇「蛍」伊藤美津子とある。15作からの5作を拾う。
もう少し生きたし蕗の薹苦し
夏椿ぽとりと白き命なり
夏椿ぽとりと白き命なり
まだぬくき御魂との帰路月曨
黒服の汗の真珠外しけり
秋田杉のやうな人逝き虹立てり
「私は一連の作品を読んで命の悲しさを思った。その哀しみを強く押さえている。抑えて抑えて抑えきれない悲しみが17音になったような作品群であった」選者、今瀬剛一氏はこう評している。
黒服の汗の真珠外しけり
秋田杉のやうな人逝き虹立てり
「私は一連の作品を読んで命の悲しさを思った。その哀しみを強く押さえている。抑えて抑えて抑えきれない悲しみが17音になったような作品群であった」選者、今瀬剛一氏はこう評している。
今まで美津子さんが俳句を詠んでいたとは知らなかった。葬儀を耽々と仕切っていた美津子さん、その心の内には抑えても抑えても抑えきれない悲しみがあったことを知った。美津子さんは受賞の言葉の中で「私にとって俳句は宝石箱のような物」と語っている。17音の中で今後も猛さんが生き続けるのではないか。と思うとホッとした。
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