5日(月)15:00江戸川橋にあるキングインターナショナルの応接室。二宮さん(大阪交響楽団楽団長)乙黒さん(ディレクター)、宮山さん(キングインター部長)が座る。(主役のお一人、大川部長は急用のため欠席)そこへ水谷さん(キングインター部長)がCDを持って現れる。
13日発売の外山雄三指揮・大阪交響楽団によるチャイコフスキーの三大交響曲である。ついにCDが完成したのである。
事のはじまりは乙黒さんから2018年にいただいた年賀状である。「オーケストラの録音をしています」と書かれていた。乙黒さんは80才。その乙黒さんが外山先生指揮の大阪交響楽団の録音をしているというのである。これは一大事。乙黒さんにお目にかかりCD化をお勧めした。レコード会社として2002年からお世話になっているキングインターナショナルをご紹介した。
2019年3月、二宮楽団長と大川部長の面談が実現。お二人とも業界の熱血漢である。「外山・大響のCD化ぜひやりましょう!」ということになり、神楽坂で盛り上がった。
乙黒さん、二宮さんのご厚意で、チャイコフスキー、ベートーヴェン等のライヴ録音を聴かせていただいたが、その演奏はとてつもない高い境地に達していた。
5日の打合せの席で乙黒さんは語る。「ベートーヴェンの第9のリハーサルの時、外山先生はソリストを”あんたはそんな歌い方をするのか”と叱りつけたんです。会場は凍り付きました。勝手な歌い方をするな、アンサンブルを考えろ、といいたかったんですね」。「これがウチのオーケストラか?と思いたくなるような素晴らし演奏をするようになりました」と二宮さん。
13日発売されるチャイコフスキー三大交響曲についての音楽評論家のコメント。
「悠然から幽玄へ」「戦後日本のオーケストラ史の生き証人であり、まもなく90才を迎える巨匠の”いま”を刻んだ格調高き名盤の誕生」「多少の瑕を恐れず、外山の音楽を粘り強く再現するオーケストラの健闘も、この音源の大きな聴きどころ」「作曲家(チャイコフスキー)と日本のオーケストラが目指した高遇な理想が結実」
そういえば外山先生は指揮者の巨匠であるとともに大作曲家でもある。