2020年7月23日木曜日

ショック!白塗りの男子ゼッケン、祝・老人会


7月もいろいろあった。
ショックだったのはテレビで放送された白塗の男子ゼッケン!
トーク番組に男子陸上の有名選手が出演。番組のサブタイトルに”世界陸上メダリスト”とでている。自分は現役時代、世界陸上の仕事をしていた。勤務していたTDKは世界陸上のゼッケンスポンサーをしていた。当然、当該選手がメダルを獲る瞬間が放送されるだろう、と観ていた。確かに放送された。が、驚いたことにTDKのロゴが入っているゼッケンが白塗りになっている。ゼッケンだけではない、TDKの看板まで白塗りになっている。多分、これは番組スポンサーの指示によるものだろう。
しかし、こんなことをやったら、登場選手や番組にとってもイメージ的にプラスにならないし、スポンサー、局のイメージアップにもならないのではないかと思った。
 例えば、銀座にA飲料メーカーの看板があったとする。B飲料メーカーの提供番組にこの看板が写っていたとする。B社は放送局にA社の看板を白塗りにするよう指示する。
 このことによって、B社の品位が上るだろうか?広告物も時代を反映するものであり、慎重に対応すべきではないか・・・。
4月から地域の老人クラブの役員をやっている。2日、毎年恒例の「七夕祭り」を実施。役員男子部が竿竹を用意、女子部が飾り付けを担当。これに会員が願事を書いた短冊を結んだ。(写真)願い事のほとんどが、コロナの早期終息だった。9日、新旧役員会の昼食会実施。19名が参加。三密を考慮し、食事の形態は弁当(写真)。幹部会では乾杯の音頭にビールを出すかどうかで意見が分れた。
コロナは予測不能。老人会ですら対応に苦慮するのだから行政にしろ、諸団体にしろリーダーは大変である。結果が悪ければリーダーは責任を問われる。
 
                 

2020年7月19日日曜日

僥倖、行方洋一先生との食事会



17日、行方洋一先生との食事会のセッティングをして下さったのは髙山了さん(フジフィルムOB)である。髙山さんは一緒にカセットテープビジネスで汗をかいた仲間である。ケーナ奏者の渡辺大輔さんも同席されるという。
 指定されたコーヒー店「ノーチラスカフェ」は土浦駅から霞ヶ浦沿いに4キロほど南下した125号線沿いにあった。ウッカリすると見落としそうな木造平屋建ての一
軒屋だった。店内に入ると、マスク姿の行方先生が迎えてくださった。マスクをはずされて「行方です」と笑顔。髙山さんと、渡辺さんが現れる間、自己紹介も含めて話が弾んだ。
 行方さんは映画監督の大林宣彦さんのようにヒゲを蓄えておられる。著書を読むと、東芝EMIの社員でありながら、競合他社の仕事をされたり、オーディオ評論家の仕事をされたり・・・「不良社員だった」そうだ。東芝EMIの給料より、バイト代の方が多かったという。そんな経緯から行方先生は近づきがたい、怖い方かと思っていたが、「誠実、謙虚、穏健」暖かい方だった。バイトができたのは先生の実力とお人柄だったのだと合点した。
 12時に始まった4人の話題はオーディオ、音楽から生録音へと展開。終わったのは3時30分だった。SⅬ(蒸気機関車)を知らない世代の渡辺さんも、店内に流れるSⅬのリアルな爆音に魅了された。渡辺さんといえば会話の中に興味のある単語がでてくると、即座にタブレットで検索して対応する。世代の違いを実感した。
 「ノーチラスカフェ」はジャズ好きの山本店長が経営しており、店長手作りのアルテックのスピーカーが鎮座。棚に陳列されたコーヒーカップが美しい(写真)
 行方先生から恐縮にも手作りのピンクフロイドとビートルズのCDをいただく。帰宅して、その音に仰天。家内が留守の時にジックリ聴こう!

2020年7月15日水曜日

自分の人生と重なる行方洋一先生の歩んだ道


行方洋一さん、元東芝音楽工業のレコーディングエンジニア。坂本九、弘田三枝子、欧陽菲菲、奥村チヨ、ザ・ドリフターズ等の録音を手がける一方、SⅬ(蒸気機関車)の録音でも名録音を残す。海外の録音スタジオを視察した時、JBLのスピーカーの音に惚れ込み、日本における輸入販売の切っ掛けを作る。オーディオ評論家としても活躍。伝説のエンジニアである。
行方洋一著「音職人・行方洋一の仕事」はニッポンの録音史である。
 この本を読むと自分の人生と重なるところがいくつかあった。
①まず年齢。行方先生1943年生まれ。自分は1942年生まれ。先生のお名前を知ったのは30才の頃。行方さんは業界では既に有名人だったので、著書を読むまで年上だと思っていた。
②先生が東芝に入社したころはアナログ時代。録音媒体はオープンテープ。自分はTDKで放送局やレコード会社にオープンテープの販売をしていた。著書に”アジマス”という言葉がでてくる。テープ録音に欠かせない技術用語である。
③自分は33才の時、磁気テープの商品企画担当になる。当時、FM放送からテープに録音するエアチェックブーム。FM番組誌が4種類も発売され「テープサウンド」というテープ録音についての専門誌まで登場。自分は各誌に執筆するオーディオ評論家の先生との付き合いが深くなる。先生がフリーになった時、「テープサウンド」編集部を事務所がわりにしていたのだという。CD時代を迎え、同誌は「ステレオサウンド」誌に統合される。
④先生が土浦在住ということは承知していて、随分遠いところに住んでいるなと思っていたが、自分は今土浦の近くの牛久に住んでいる。

著書を読んで、音楽・オーディオファンは「アナログの音がいいとかデジタルの音がいいとか」言い合っているがレコード(CD)制作には録音エンジニアがかかわっていて、音づくりをしていることを忘れてはいけない。と改めて感じた。
ドイツには「トーンマイスター(音職人)」という国家資格があるが、音についての国家資格制度のない日本でレコディングエンジニアの地位を築いた行方先生の功績は大きい。

2020年7月12日日曜日

HARD OFFで中古品の銘機に出会う


最近は体の方にガタがきているが、オーディオ機器が相次いて故障。昨年末はCDプレーヤとアンプがイカレタ。(12月15日、ブログ)買い換えたアンプについてはパワー感、特に低域が不足しているが、音に透明感があり、ほぼ満足し
ていた。しかし、先週、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を聴いて愕然。ワーグナーの深淵な音楽がでてこない。ビルギット・二ルソンという名ソプラノ歌手の声が軽く聴こえる。これはイカン!楽器の音は音質が多少変化しても我慢できるが人間の声が違って聴こえるのは致命的である。
 もしや、掘り出し物はないかと市内のHARD OFFに行ったら、ありました。DENON PMA-2000Ⅱである。(写真・上)昨年故障したアンプの後継機種である。1998年オーディオ大賞で「グランプリjr」を受章した銘機だ。定価10万円だが、オーディオ評
論家・長岡鉄男は20万円級の上質な音と評した。店頭中古価格は¥49,500。
 セッティングして音を出したら、スピーカーが生まれ変わったように蘇った。低音が鳴ると、床まで響く。凄い!気分をよくしてたまにはスピーカーの埃でもとってやろうかと、サランネットを外したところ、愕然。なんとウーハーのエッジに穴が空いているではないか!(写真・中)音が良くとも、穴空きのウーハーを見てしまうとさすがに精神衛生上、良くない・・・。そこで思いだした。HARD OFFの店頭にスピーカーがあったな!もしかして、そのもしかしてが的中した。現在使用中のONKYO Ⅾ-77FRXの後継機種、Ⅾ-77MRⅩが店頭に並んでいた。(写真・下、2000年制、定価11万)。店頭中古価格¥44,000。即購入した。
 聴いてみると、FRXのように床鳴りするような重低音は出ない。低音は締まっている。FRXの床に響く重低音はウーハーの穴がバックロードホーンのような作用したのではないかと推測する。
 最近のスピーカーの新製品は背の高いトールボーイかコンパクトなものが多い。しかもバカみたいに高い。3ウェイ方式の方が高音から低音までメリハリがあり繋がりのある音がでるはずである。その点からMRXは中古品でなと手に入らない銘機である。

2020年7月7日火曜日

三浦環のオペラアリアを聴く


7月6日、友人である西宮さんからのメール。
「コロナ騒動まだまだ終息しそうもありません。小生巣籠状態です。先日は友人から譲り受けたSPレコード200枚ほど、水洗いしました。(写真)
友人の父上(祖父?)のものだったようで、全て戦前(昭和15年頃)のものでした。
 その中になんとNHK朝ドラで話題の三浦環の”カヴァレリア・ルスティカーナ”のSPがありました。(写真)音は雑音だらけですが聴い
てみて下さい」
NHK朝ドラ「エール」は福島出身の作曲家、古山祐一”古関裕而(1909~1989)”を主人公にしたドラマである。主人公の恋人(後・結婚)音は少女時代、教会で双浦環”三浦環(1884~1946)”のソプラノを聴き感動。歌手になることを決意する。
 三浦環は日本人で初めて国際的に評価されたオペラ歌手。1936年には凱旋帰国し、歌舞伎座でイタリア語で「蝶々夫人」を公演。この後、歌曲やオペラアリアのレコーディングを行った。二宮さんが水洗いしたSPレコードはこの時レコーディングしたものである。
送信されてきた三浦環の「カヴァレリア・ルスチカーナ」、確かに雑音は多いが、かすかに聴こえる名唱に感慨を新たにした。(写真下▷をクリックするとSPが再生されます)
 なお、ユーチューブを検索すると、三浦環の歌った「ある晴れた日」をクリアな音で聴くことができる。また、古関裕而の奥さん、内山金子の歌唱も聴くことができる。