2020年2月2日日曜日

水戸から世界へ。水戸室内30周年記念コンサート


昨日(1日)水戸にでかけた。
水戸芸術館開館30周年記念事業&水戸室内管弦楽団創立30周年記念コンサートを聴くためである。記念コンサートは指揮者無しだった。ナマで聴くのは初めてである。
 第1曲、チャイコフスキーの弦楽セレナードがホールに響いた。その音に驚いた。今まで聴いたことのない圧倒的なエネルギーである。ウィーンフィル、ベルリンフィルという世界の超一流オーケストラを上回る音のエネルギーである。プログラムはバッハ、ショスタコーヴィチ、バルトーク、メンデルスゾーンと続いたが、どの曲でもまず驚いたのが舞台から放射されるエネルギーである。
 その秘密は2つある。一つはソリスト級の奏者による技術と一糸乱れぬアンサンブル。そして、座席数680席という室内オケ専用ホールによる豊な響きの効果である。
 水戸室内管弦楽団は水戸市市制100周年を記念して1990年設立された。初代館長は音楽評論家・吉田秀和(2006年・文化勲章受章)、館・ホール設計者は世界的に著名な磯崎新、現在の館長は小澤征爾。吉田館長の目指したもの。「水戸のものだが、水戸を超えたもの。世界から受信し、世界に発信する開かれた芸術活動のひとつの拠点」である。
 水戸室内楽団のCDは20タイトル近く発売されている。どれも名演であるが、シンフォニーなど大編成のものはフルオーケストラの名演と比較すると聴き劣りする。
 ただ、生で聴くとホールとの相乗効果でフルオーケストラを上回る。つまり生演奏のエネルギー感はCDには収まりきれないのである。
 水戸室内管弦楽団の真価を聴くためには水戸芸術館の専用ホールで聴かないといけないと強く感じた。専用ホールでの奏者と聴衆の一体感も素晴らしい。音楽とともに奏者は体を揺らし、聴衆の体も揺れ動いていた。
 

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