年初からはじめた、父の13回忌記念誌の制作が終盤に近づいた。
いよいよ表紙の制作である。
記念誌の表紙といえば、主人公が盛装した硬いものが多いと思うが、考えた3案はとても微笑ましい。個人的に気にいっているのは、”農業一筋”である。背景に馬が写っているのも良い。これは60年ほど前の写真だが、当時、馬は農家にとって、仕事の原動力だった。
田んぼを耕すときは鋤をひいた。冬は堆肥を積んだソリをひいた。力持ちのわりには眼が優しい。
この馬に私は乗ったことある。途中で転げ落ちた。その時も馬はなにごともなかったように優しい眼で草を食み、少年が起き上がるのを待っていた。
この表紙をもって、27日、秋田の実家に向かう。兄と93歳になった母にみてもらって決めようと思っている。実家に行けば、もっといろいろな写真があり、軍服を着たものを、とか羽織袴を着たものをという希望がでるかもしれない。
いずれにしても父は”第31代畠山又右ェ門”といういかめしい名称とは似てもにつかないやさしい風貌をしている。