2020年12月31日木曜日

89才、外山雄三の清新なベートーヴェン交響曲全集


 今年はベートーヴェン生誕250年。27日~30日にわたって、交響曲第1番~9番まで全曲聴いてみた。やはり素晴らしい。
 バッハ、モーツアルト、ヘンデルなどベートーベンの先輩達は教会、宮廷のおかかえ作曲者として、教会の祈りため、あるいは宮廷の要望に応えるために作曲した。しかし、ベートーヴェンは自分の人生観を伝えるために作曲した。その作曲意図は第9「合唱」に象徴されるように「苦悩を突き抜けて歓喜に至れ」である。
 交響曲は第1番から第9番まである。一般的には「英雄」「運命」「田園」「合唱」というタイトルがついているものが有名だが、全曲非の打ちどころがない。
 交響曲全集はカラヤン、バーンスタインなど世界の著名な指揮者が名演を残している。今回聴いたのは今月発売になった外山雄三指揮・大阪交響楽団。
 外山は解説書にこう書いている。”ベートーヴェンは演奏者に特別な集中力を要求している。楽譜から一瞬も目が離せない。—略ー演奏上の「効果」に惑わされて「自由な表現」を思ったりすると、それだけでベートーヴェンの意思を見失ってしまう。しかも演奏者が自由で、豊かな即興な精神を忘れたりすると、決してベートーヴェンは姿を表さない。この一見して相反する要求は、ベートーヴェンはそれほどに演奏者に対して作品そのものに「集中」することを求め、文字通り「豊かな」表現を求めているといえる”と。
 外山は今年89才。指揮者生活60数年。その外山が発展途上にある大阪交響楽団を指揮した交響曲全集には今までのベートーヴェン演奏では味わえない清新さがある。
 レコードメーカーはこのコンビに「浪速のバンベルグ」(ドイツの朴訥な地方オケ)というタイトルをつけているが、この演奏は日本の外山と大阪響でなければ表現できないきめ細かさと、美しさにあふれている。
 ベートーヴェンは9曲の交響曲を作曲するのに25年を費やし、外山は演奏するのに4年を費やした。全曲を聴くには6時間弱を要する。


2020年12月26日土曜日

コロナに負けず、女性陣の支持を得たベテランズ(老人会)活動

 
 地元刈谷ベテランズクラブ(老人会)の役員は5年前、1期(2年)担当した。継続してやって欲しいとK会長より要請があったが「1期で老人会に対する職責は十分果たした」として固辞した。これがK会長との間でシコリになっていた。
 今年、S会長が任期半場で会長を突然辞任。新体制を作るに当たって、K顧問(前会長)から副会長になって欲しいとの要請をいただいた。緊急事態でもあり、シコリ解消のためにも好機と思ったので、1年間お引き受けすることにした。
 就任に当たって、是非実行したいことがあった。S会長の時代、女性名簿から生年月日が削除された。理由は「個人情報を守るため・・・。特に女性に対して」であった。ただ、老人会は入会資格にも年齢の基準があり「誕生会」は主行事である。生年月日がなければ閉鎖的なものになってしまう。
 私は副会長就任の条件として、「女性の生年月日記載復活」を掲げた。意外にも女性役員が全員、私の意見に同意した。もう一つ私が副会長になって実施したことに「役員会の議事録作成」がある。”言った言わない”がなくなり、女性陣の意見も男性と同様に会の運営に反映されるようになった。最近、女性役員の方々から「副会長、継続してやって下さい」といわれる。悪い気はしないが、ケジメもつけたい・・・。
 今年の老人会活動はコロナに翻弄された。牛久市内の他の老人会はコロナが原因でほとんどの行事が中止になったという。コロナといえば、中止しても会員は納得するのである。
 刈谷ベテランズクラブはコロナに敢然と挑んだ。T会長、S副会長(女性)と私は12月と1月の第一週を除いて、毎週定例会を実施した。毎回、多くの会員が定例会に参加した。
 老後の人生で大事なことは教育(今日行く所がある)、教養(今日用事がる)だという。
刈谷ベテランズクラブは会員の教育と教育の場として重要性を増していたのである・・・と信じている。
(写真は毎月会員に配布している会報と、スケジュール表)



2020年12月12日土曜日

鷹農は永遠⑦3人になってしまった同窓ゴルフコンペ

 


3日、高校時代の同窓生とのゴルフコンペ「鷹農35会」を行った。(鷹巣農林・昭和35年卒)皆さんも都合があるだろうと、年明けから12月3日実施は連絡していたのだが、参加したのは簾内隆一君と後輩の斎藤拓治君、小生の3人。コンペ終了後の飲み会には石岡市在住の成田君が参加した。

会場である霞台カントリークラブに行って驚いたのは大混雑の駐車場(写真)。コロナ禍でもあり空いているだろうと思っていたが、トン~でもない!である。10:10分スタート。前半は3時間もかかり、ワンラウンドできるかどうか不安だったが、後半は2時間20分とスムース。日没前に終了となった。3人のスコア。簾内君91、斎藤君106、小生128。128というスコアは今までの最多記録。年貢の納め時である。でもゴルフは楽しい。一緒に遊んでくれる仲間がいれば続けたい。来年は5月20日開催と決めた。

ゴルフが終わってから成田君を入れた4人で飲み会。最初は上品に牛久シャトーでフランス料理。皆さん大満足。その後が大変だった。ホテルの簾内君の部屋で昔話に花が咲いた。次第に白髪頭、禿げ頭を通して学生帽の顔が浮かんでくる・・・。ご帰館は深夜。鷹農健児が集まるとコロナも吹っ飛ぶんです・・・。奥さんスイマセン。

「鷹農35会」は1989年に始まった。場所はやはり霞台だった。その時の成績は小林(110)、佐藤昭次(107)、佐藤稔(98)、田口(108)、成田(89)、畠山(106)とある。第26回、還暦記念大会は2002年、秋田北空港カントリークラブで行われた。恩師の高橋彰三郎先生も参加された。成績は次の通り。上杉(97)、近藤(85)、佐藤昭次(114)、佐藤稔(98)、佐藤宣男(98)、簾内(80)、塩寺(116)、髙橋(105)、武田(83)、畠山(106)。

来年は還暦時代のスコアを目指そう!


2020年12月8日火曜日

東条先生秘蔵の「ポリーニ初来日ーSAカセット」再生



5日(土)昨年4月に次いで、龍ヶ崎ゲヴァントハウスは音楽評論家・東条碩夫(ひろお)先生をお招きし、講演会を行った。
小生、東条先生とは長いお付き合いである。
小生が勤務していたTDKは1971年から1987年までFM東京のクラシック生収録音楽番組「TDKオリジナルコンサート」を提供していた。小生は宣伝担当として、一時期この番組を担当しており、東条碩夫先生は番組プロデューサーだった。小生は2002年、「TDKオリジナルコンサート」のCD化を企画。2005年には書籍「伝説のクラシックライブ」を企画。東条先生のお世話になった。2019年~20年、龍ヶ崎ゲヴァントハウスの理事として東条先生に講師をお願いすることになった。

講演のテーマは「朝比奈隆とポリーニ」。両巨匠の番組収録に関するエピソードが中心だった。朝比奈隆の演奏(1973年)はCD化されており、そのCD(ブルックナー交響曲第5番・最終部分)が再生された。テンパニーの連打で終わるのだが、「CDになるとどうしても音が甘くなる」と先生は嘆く。ポリーニは2トラ38(オープンリールテープ)の放送マスターから先生がSAカセットにコピーした秘蔵の音源である。ポリーニは20世紀を代表する名ピアニスト。1974年初来日の演奏。NHKが協奏曲を収録すると聞き、東条先生はリサイタルを収録。その超絶技巧に日本の音楽界は圧倒された。SAは切れ味鋭いショパンを見事に再生した。
牛久シャトー(写真)で先生とメンバーの親睦会が行われた。
 東条先生も80才を超え評論界の長老である。テレビ・ラジオ番組、音楽誌に登場する先生はほとんどが先生の後輩である。
 今回、小生の愛車「エアトレック」で送迎したが、車中、先生が「私の車でTDKの長野の工場へ行ったことがありましたね」と語った。もう、48年前である。当時、先生の愛車はボルボだった。今もボルボで都内を走られているという。