2019年8月23日金曜日

カセット文化をリードしたソニーとTDK


8月20日、「昭和40年男」(音楽モノ大全)が発売された。
「昭和40年男」というタイトルは”オタック”っぽい。この本のコンセプトは昭和40年(1965)生まれの男性の青春時代にスポットを当てたもので、彼らが胸をときめかせた映画、車、アイドル等にスポットを当てて編集されている。(隔月発行)2009年の創刊というから10年続いているわけで立派という他ない。
 「音楽モノ大全」を開くと、中心はラジカセ(&カセットテープ)とウォークマン。当時発売された各社のラジカセ、ウォークマンが写真入りで紹介されている。その編集の多彩さと緻密さに驚く。まさに”オタク”である。ここまで徹底すると、SNSでは得られない満足感がある。商品の開発者のインタヴュー記事も掲載されている。ラジカセではパイオニア、CDプレーヤではソニー、カセットテープでは光栄にも小生。
 当時を振り返ってみると、「昭和40年男」は家ではラジカセで、外ではウォークマンで音楽を楽しむという時代だった。それは現在のスマホに匹敵する。「カセット文化」ともいえる時代だった。当時、音楽の録音対象はCDと並んでFM放送だった。エアチェックという言葉が流行。FM番組誌が4種類も発行され、どれも数十万部の売り上げがあったというから驚く。
 TDKはFM東京で「TDKオリジナルコンサート」というクラシックのナマ収録番組を放送。「昭和40年男」に愛され、オジサンになった彼らは今でもそのライヴ音源を楽しんでいる。
 「カセット文化」をリードしたソニーは今年間売上8兆6千憶円、TDKは1兆3千憶円、両社とも日本を代表する優良国際企業として活躍している。

2019年8月20日火曜日

第40回刈谷(団地)ふるさとづくり盆踊り大会

 
16日(土)、17日(日)、私の住む刈谷団地の盆踊り大会が開催された。題して「第40回刈谷ふるさとづくり盆踊り大会」。
 私が東京(杉並)から牛久に転居したのは1973年(31才)。刈谷団地に転居したのは1980年(38才)。刈谷団地の盆踊り大会は私が転居する1年前にスタートしたことになる。刈谷は約2千世帯、住民5千名の大団地である。ほとんどが東京からの転居者。当初は子供達も沢山おり、盆踊りも賑やかだった。
 しかし、時代は変わった。子供達は成長して独立。子供や孫と同居している家族は減少した。お盆に子供や孫が遊びにきても、今はスマホ時代。各世代の楽しみ方もいろいろである。盆踊りに足を運ぶ家族は少なくなってきた。
 17日(日)、夕方になるとわが家にも祭り太鼓の音が響く。会場まで300メートル。わくわくしながら会場に向かう。八木節、ズンドコ節が流れ、幼少の頃を思いだす。昭和初期は娯楽が少なく、故郷秋田の村では盆踊が最大のイベントだった。
 牛久音頭がはじまり、盆踊りは最高潮!だが、やはり参加者が少ない。取り巻きの観衆も含めて200名くらいだろうか・・・。つまり住民の1割弱である。2日間通しても2割までいかないのではないだろうか・・・。
 盆踊り大会の準備は大変である。櫓(やぐら)を組み、和太鼓グループ、民謡歌手、来賓との交渉、抽選会、踊り手の手配、等々・・・。(100万以上の費用がかかっているという)
 費用対効果を考えると黄信号ではあるが、住民同士のナマの触れ合いは大事である。その核となるイベントが盆踊り大会である。役員の方々には今後も頑張って欲しい!

2019年8月17日土曜日

オペラ「ローエングリン」

お盆休み、孫(中学一年)が宿題持参で来宅。冷房の効いた一階のリビングは孫に開放。小生は2階の冷房付の自室で久しぶりにオペラDVDを鑑賞した。演目はワーグナー作曲「ローエングリン」。2006年バーデンバーデン祝祭歌劇場ライヴ収録。
 DVDを再生すると、神秘的な序曲がはじまる。
ケント・ナガノ(指揮者)談ー歌劇の序曲の中でも有数の名曲です。第1に美しさ。雰囲気を描出する独特の手法で作品中の多くが紹介されます。技術的に難しいのは単に雰囲気のある空気感を出すことではなく、”無から生まれるような響き”です。紗(しゃ)のかかった遠い響を維持するために弦は高音を弾き続けます。
ニコラウス・レーンホフ(演出)談ー前奏曲では一条の光の中にエルザが見えてきます。架空の道を通り前方へ歩いてきますが(写真)これはギリシャ悲劇の精神に基づいております。
ソルヴェイグ・クリンゲルボルン(ソプラノーブラバンドのエルザ姫)談ー題名はロエングリン(聖杯王パルジファルの息子)ですがドラマの中心はエルザです。出ずっぱりなんです。第2幕の最初の10分休むだけです。(上演時間206分)水も飲めなし、トイレにも行けない。ただ、ズーッと舞台に居ますから流れには乗りやすい。私たち歌手はチェスの駒です。それぞれ違う役柄です。正義の味方もいますし、悪役もいます。レーンホフは各駒を全体の構図に収めるのです。動きが50cmズレても怒声が飛んできます。われわれ歌手は彼が描く絵を想定し、様々な絵を見せながら彼の要求に応え、しかも自分の個性を役に反映させていきます。
「ローエングリン」凄かったです。行き詰るドラマでした。エルザを演じたクリンゲルボルンではありませんが、水を飲むのもトイレにい行くのも忘れてしまいました。
「おじいさん、宿題できたよ」という孫の声で吾にかえりました。

2019年8月9日金曜日

川崎のイメージを変えたシンフォニーホール

7日(水)9時30分、TDK訪問。(写真は案内された応接からみた都心の風景)TDKは2007年、カセットテープ等の記録メディア部門から撤退。今は電子部品専業である。ただ、TDKのカセットテープを愛用して下さった方々は沢山いらっしゃる。今でもお客様やマスコミからカセットテープについての問い合わせがある。当時カセットテープの商品企画に携わった者として、定年後の今でもお手伝いする時がある。そのご報告にうかがった。
川崎市で「フェスタサマーミュージック2019」が開催されている。このフェスタ、7月27日から8月12日までの開催だが、NHK交響楽団、読売日本交響楽団等、日本を代表する12のオーケストラが参加する。7日は”炎のマエストロ”コバケン(小林研一郎)が指揮する日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会がある。今年、チャイコフスキー国際コンクール(ピアノ)で2位になった藤田真央(20才)
が競演するとあって、チケットは早くから完売。山北にいる弟を誘ったところ、「当日券売り場に並びます」とのこと。
午後2時30分開場。(運良く弟もチケットを入手できた。)入場の際、受付で渡されたコンサートチラシの束に驚いた。(写真中央)私の席はS席だが3階。舞台は遥か前方下。ただ音響は素晴らしい。藤田真央の弾いたチャイコフスキーのピアノ協奏曲に圧倒された。
 終了後、川崎市役所勤務の甥も参加して「暑気払い」。甥の話によると、ミューザ川崎シンフォニーホールは2004年、工業都市のイメージが強かった川崎市のイメージを一掃するために開場したという。(写真・下)結果、川崎市は人口も増え続け順調に発展しているという。