76才、77才、82才のシニア熱血漢でもやはり最後は体力の衰えに話が及ぶ。ところが、さすが工学部ご出身のSさん、Tさんの話は理論的である。
76才のSさん、「補聴器を試してみたんですがね、通常聴こえないノイズが入って、こんなもの使えるか」77才のTさん「そうでしょう。ボクも無料貸し出しというのを何点か取り寄せてみたんだがダメ。補聴器はまだ課題が多い」。
良く考えてみると、人間の耳の発達過程には3段階あるように思う。生まれたばかりの第1段階は物理的に音を感じるだけ。第2段階は判別レベル、つまり母親や父親の言葉がわかるようになる。第3段階が感性レベル。歌を聴いて上手下手がわかるようになる。耳と頭脳は連動していて、成長とともに複雑な音が判別できるようになる。多分、初期段階の補聴器は、会話も周辺ノイズも一緒に大きな音量にしてしまうから使いものにならない。理想をいえば、一人一人の感性に合った補聴器が必要なのである。が、現実には痴呆が進めば、人間の感性が衰えて、多少ノイズがあってもバアさんの声が聴こえれば良い、ということになりそう。ということで3人ともこの先、補聴器のお世話になると思う。
Tさんは、定年後、自転車でシルクロードを縦断したという自転車ツーリストのベテランである。(写真)ママチャリスの私は「空気不足の時と満杯の時では全然走りがちがいますね」とバカな質問をする。「空気不足の時は路面との接触面積が大きくなるから抵抗が大きくなるんです。パンクの原因にもなりますよ」。空気をパンパンにするとパンクしやすくなると思っていた技術オンチの私は目からウロコだった。
Tさんの自転車仲間も最近は高齢化し殿堂入(電動)の方が多くなったとか。スイスイと坂道を登って行って、そのまま永遠の殿堂に入る方もいらっしゃるようである。
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