小生と一緒に写真に収まっている方は、なんと昭和の名宰相・鳩山一郎の五女、信子さんである。2003年、指揮者・故渡辺暁雄氏のご自宅で撮影したものである。信子さんは渡辺暁雄氏の奥様である。
小生が渡辺家を訪れた目的は1982年「TDKオリジナルコンサート」10周年記念として行った「ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団特別演奏会シベリウスシンフォニーチク
同行した池田卓夫氏(日本経済新聞・編集委員)が信子夫人にインタヴューを行った。「終演後はめったに感想を言わない主人が『うまく行った』と漏らした」と語っている。渡邊暁雄氏のお母さんはフィンランド人の声楽家・渡邊シーリである。渡邊にとってシベリウスは母国の作曲家である。
シベリウスチクルスの第2番、第3番、第5番、第6番はフィンランド生まれの新鋭オッコ・カムが指揮した。カムの演奏が素朴さはあるが、惰性的なのに対し、渡邊のシベリウスには透徹した厳しさがある。シベリウス演奏を語る時、音楽誌に渡邊暁雄の名前はあまり見当たらない。が、私は渡邊のシベリウスは名演だと思う。
解説書に山崎浩太郎氏が寄稿している。「レナード・バーンスタインが最後に来日したのはその死の年、1990年7月。記者会見の冒頭まず語ったのは6月になくなった渡邊暁雄への追悼の言葉だった」バーンスタインは1918年、渡邊は1919年の生まれ。生も死もほぼ一緒だった。
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