レコード芸術5月号「レコード誕生物語・その時、名盤が生まれた」は衝撃的な記事だった。クラシックCDの売り上げの20%~40%がカラヤンもの(4/29ブログ)にも驚いたが、それに続く驚きだった。
”それまでの日本でのウィーンフィルの「ニューイヤー・コンサート」のCDの売上は、よくて1万枚。時によっては5千枚ほどでした。”元・ユニバーサルミュージック プロデューサー篠原良さんの言葉である。毎年、世界的に著名な指揮者が指揮し、全世界でテレビ中継される同コンサートの
CDが5千~1万とは・・・!クラシックCDは500枚売れればいい方と噂には聞いていたが、どうやら本当のようだ。
篠原さんは2002年小澤・ニューイヤーの販売に携わった。篠原さんにデッカの社長コスタからメールが入る。「次のニューイヤーは99%(小澤)征爾になる。俺に協力してくれ。日本で何枚売ってくれる」篠原さんは営業や管理部門の大反対を押し切り5万枚という破格の数字を提示した。コスタからのメール「ありがとう。日本とオーストリアの数字を合算すればリリース権を獲得できるかもしれない」数日後「CDのリリース権は獲得できたが、映像は獲得できなかった」
この映像権を獲得したのは、なんと、TDKの子会社「TDKコア」だった。ダメモトで5千枚のオファーをしたところTDKに転がりこんだ。2002年、私はTDKコアで定年を迎える。外人記者クラブで定年祝賀パーティが行われた。80名が参加。私が去る時、会場に小澤・ウィーンフィルのラデッキー行進曲が流れた。
ところで、小澤のニューイヤーCD(約2千円/写真・上)は70万枚売れたという。この記録はクラシック部門の新記録であり、今後も破られることはないだろう。と、篠原さんは語る。TDKコアのDVD(約4千円/写真・下)売上も10万枚を超えた。この記録も破られることはないだろう。
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