日本のクラシック音楽CD市場には、毎月100タイトル前後の新譜が発売される。
その中で売れ筋は常にカラヤン(1908~1989)が指揮したもので、カラヤン指揮のCDは売上の20%~40%を占めるという。カラヤンは50年以上にわたって、日本のクラシック音楽産業を支え続けているのである。
カラヤンブームが表面化したのは1966年のカラヤン&ベルリンフィルの来日公演だった。この時、私、24才。チケットを購入するために日比谷公園で徹夜した。同コンビは主要都市で公演を行い、日本のクラシック音楽ファンを熱狂させた。
今年の3月、キングインターナショナルより、「1966年の音源がNHKに残っており、CD化するので資料提供して欲しい」という依頼があった。私の所属している龍ヶ崎ゲヴァントハウス(クラシック音楽同好会)には”カラヤニスト”と名乗る会員など沢山のカラヤンファンがいる。札幌の会員も資料を提供に協力。キングインターの部長さんが牛久まで来られるとう一幕もあった。
4月27日、第1弾、東京で行われた「ベートーヴェン交響曲全集」他が発売された。53年前の記憶が蘇った。というか、当時を上回る感動を覚えた。ベートーベンの交響曲というと「英雄」「運命」「田園」「合唱」が有名だが愛称のないものも遜色ない。ベートーヴェンの天才ぶりを改めて実感した。
同時発売されたブラームス・交響曲第1番に添付されている解説書に、ある評論家が「あれはブラームスではない、カラヤンは作品を素材にして、自分の演出力を鼓舞している」旨のことを書いているが、果たしてそうだろうか?全編に漲るカラヤンの気迫にウソはないと思うのだが・・・。
カラヤン以前、以後も数多くの名指揮者が登場した。その時、必ずといってよいほど、比較されるのがカラヤンである。カラヤン指揮のCDが売れ続けるのはそこに起因しているのではないだろうか?
今回、CD化にかけるキングさんの情熱にも感動。現役時代のように充実した日々を送ることができた。
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