2018年2月24日土曜日

伝説のカセット、MA-Rを開発した技術者

カセットテープのハーフにダイキャストを採用したTDK・MA-Rは、カセットテープの最高峰と称されている。このカセットの企画に携わった私は光栄にも何度もオーディオ誌等の取材を受けた。
 今回、このMA-Rの開発に携わった技術者のインタヴュー記事が掲載されたムック本が発売された。「カセットテープ」-コンプリートブック。〝あのころの『カセット』のすべてが分かる1冊″〝僕らの青春はカセットテープとともにあった!″(ステレオ時代・特別編集″がそれである。先日、偶然、書店でみかけ購入した。
 凄い内容である。TDK、SONY,Maxell,FUJI/AXIA,COLUMBIA/DENON,That’sブランドのストーリーと全499モデルがカラーで紹介されている。
 この本の目玉インタヴューが〝国産メタルの元祖にして頂点「伝説のカセットTDK MAーRの秘密」。私の取材の時は開発ポリシーでる〝オープンリールを超えろ″がメインだったが(写真、右)、今回は技術担当の佐藤孝輝氏(写真・下)が登場し、技術面からの苦心談を語っている。〝オープンリールを超える"ためのヒントは『神様カセット』と呼んでいた実験用のハーフだったという。この『神様カセット』はアルミの削りだしでガイドピンの角度を精密に変更できるもので、一本数百万もするものだったという。
ところで、今回の本に掲載されているМAーRのダイキャストハーフは金色である。(写真・左)金色のМAーRは商品化されてないし、企画サイドにいた私も見たことがない。佐藤氏のお宝のようである。このようなお宝に巡り会えるのも取材に当たった澤村信さんのお陰である。私も澤村さんのお世話になった。改めて澤村さんにお礼を申上げたい。この本をご覧になる事をカセットテープファンのみならず、TDKおよび競合メーカーの方達にもお薦めしたい。青春が蘇るはずである。


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