2017年9月4日月曜日
加藤登紀子と中丸三千繪
加藤登紀子(左)と中丸三千繪
レコードをジャケットから取り出す。レコードの盤面を拭く。プレーヤーのターンテーブルにレコードを載せる。スタートボタンを押すと、ターンテーブルが回転し、ピックアップがレコードに乗る。えもいわれる優しい音がスピーカーから流れる。
加藤登紀子の唄が流れる。「知床旅情」(森繁久彌、作詞作曲)、「逢瀬」(加藤登紀子、作詞作曲)と続く。加藤登紀子、昭和18年生れ。東大卒のシンガーソングライター。唄を聴きながら、あの頃、北海道は新幹線もなく、知床はまさに最果ての秘境だったと思う・・・。「逢瀬」、<後ろ姿の淋しい男に、かける言葉はみつからない・・・>という歌詞ではじまる。切ない・・・。
加藤登紀子の唄はアナログLPレコードが良く似合う。彼女の唄をデジタルサウンドで聴く気がしない。
中丸三千繪。昭和35年生れ。オペラ歌手。8月26日(土)、隣町、龍ヶ崎市文化会館ホールで聴いた。家内も一緒だった。そのパワフルな歌唱力に圧倒された。彼女がオペラ歌手を目指すようになったのは、イタリア映画の影響だという。「甘い生活」「カビリアの夜」「ひまわり」「道」、イタリア映画にでてくる主人公達は感情をむきだしにする。オペラはその凝縮版といってもよい。
加藤登紀子、中丸三千繪、ジャンルは違うが、2人に共通しているのは、その唄がドラマになっている点である。ただ、味は全く違う。
加藤の唄は日本の風土を反映して、抒情がある、陰がある。そして切ない。
中丸の唄はドラマチックである。イタリアの男女の情念の世界は激しい。中丸は全身全霊を傾けてそれを表現した。
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