2018年7月1日日曜日

日本モーム協会会誌

 
先月、飯澤さんから日本モーム協会の会誌「CAPFERRAT」をいただいた。同協会は行方昭夫氏(元・東大教授)が会長。行方氏は「人間の絆」「月と六ペンス」等モームの作品の訳者である。会誌「CAPFERRAT」には会員の方々のサマセットモームに関する論文、エッセイが掲載されている。

 13号に行方氏が特別寄稿した「モームと私、最初から今まで」が文学に素人の私にも興味深い。
 1951年、氏が東大に入学した頃はモームの名前も著書も知らなかったという。それが読書会でモームの原書(「人間の絆」)を読んだとき、最初のページから引き込まれ、英語で読んでいるのに、情景が目に浮かぶではないか!「自分はこの洋書を読めるのだ」と気づいた。物語が面白いので、知らない単語や熟語があっても、辞書で調べる時間が惜しくて、前後関係からだいたいの見当をつけて、先へ先へと読み進んだ。自力で読んだ経験が自分の英語力で洋書が読めるとの自信になった。
 1975年、劇団民藝がモームの「聖火」を宇野重吉演出で上演。好評を博しいくつかの演劇賞を受賞。しかし、原文を熟知していた行方氏はいい加減な訳に呆れ、劇を楽しめなかったという。1959年モーム来日。丸善で開催された「モーム展」は警官が整理にでるほどの混雑。氏はちらっと小柄な老人を目撃。愛読し、研究している作家の生身の姿をみることができ嬉しかったという。

 飯澤さんは14号に「ウィリー・モームは日本料理を喰らったか?」というエッセイを載せている。宿泊先の帝国ホテルの近くには有楽町ガード下の飲食街がある。そこで焼き鳥をほうばったり、熱燗を呑んだりしたのだろうか?海外駐在の経験があり、来日した数多くの外人のアテンドをした飯澤さんは、モームが来日時にどんな食事をしたのか、エンジョイしたのか?興味津々。「来日時の立ち振る舞いに詳しい人、教えて」。

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